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2016年3月12日 (土)

風の電話

その電話の存在は聞いたことがありました。

大槌町を見渡せる高台の個人のお庭にある電話ボックス。

線ではなく、想いを風にのせて繋げる絵本にもなった電話。

                   * 

TVで放映され、大震災で父を喪った15歳の少年に胸を突かれました。

「聞きたいことがひとつある…なんで死んだ?…ねぇ、何処にいるの?」

かけがえの無い存在を喪った人の心からの問い。

突如として、今まで当たり前だった存在が消えた。

いったい…何故? どうして? 何処へ行った?

たった15歳で、そのような問いを胸に抱えて風の電話に来たのでした。

                   *

たくさんの人がこの電話ボックスに来て、ダイヤルを回し、話かけます。

大切な、たった一人の、かけがえの無い存在の人に慟哭しながら話す。

その別れはあまりにも突然で、だからこそその悲しみもあまりにも深い。

深い後悔も伴い、自分だけが生きていて良いのかと問いかけながら…

「何故、死んだ? ねぇ、何処にいるの?」

常に心にあるその問いに答えをみつけるには、5年はまだとても短い。

「まだ5年しか経っていない」…大切な人を喪った方々の共通の想い。

                   *

それでも、そんなに深い悲しみに遭っても、人は必ず立ち上がります。

そんな力が人には具わり、それは亡くなった方々の願いでもあるから。

「なんで死んだ? ねぇ、何処にいるの?」

15歳の少年もいつかその答えを見つけるはずです。

多くの人の慟哭を乗せて今日も風の電話は繋がる。

亡き人に繋がった想いが、どうか残された人の希望となりますように…confident

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